肝臓にできるがんは、肝臓の細胞ががん化した肝細胞がんと、肝臓の中を通る胆管ががん化した胆管細胞がんがあります。肝がんのうち、90%以上が肝細胞がんです。
肝細胞がんの原因のうち、約80%はB型肝炎やC型肝炎などウイルス性肝炎です。また、アルコール性肝炎や脂肪肝などから肝機能障害を起こし、肝細胞がんが発生することもあります。
初期の肝細胞がんは自覚症状がほとんどありませんので、健康診断などでウイルス性肝炎や肝機能障害を指摘された場合は、肝細胞がんが発生していないか、腹部超音波検査などの精密検査を受けることをおすすめします。
正常細胞とがん細胞
正常細胞では、細胞の分裂・増加(増殖)は巧みにコントロールされていて、細胞が増えすぎたり、減りすぎたりすることはありません。対して、がん細胞は、コントロールされずに、無秩序に増殖し続け、周囲の正常な組織や臓器に直接広がったり(浸潤)、血管やリンパ管を通って発生した場所から離れ(転移)、移動した先で再度増殖したりします。