CIDP・MMNを知る CIDP・MMNってなに?

CIDP(慢性炎症性脱髄性多発神経炎)とは

CIDPは、末梢神経が慢性的に障害される病気(末梢神経障害又はニューロパチー)です。
様々な部位に炎症が起こり、炎症によって運動神経や感覚神経が障害されることで、手足(四肢)の運動や感覚が障害され、いろいろな症状があらわれます。
CIDPによって、脳の神経や自律神経も障害されることがありますが、まれです。

CIDPは、現在までのところ遺伝することはないとされています。

慢性 症状が徐々にあらわれ、長期にわたって継続する
詳しくは経過・進行の特徴のページへ
炎症性脱髄性 炎症によって末梢の神経に脱髄という現象が起こる
詳しくは原因のページへ
多発神経炎 炎症(神経炎)が神経の様々な部位に起こる
詳しくは発症の特徴・症状のページへ

MMN(多巣性運動ニューロパチー)とは

MMNも、CIDPと同じく末梢神経に障害が生じる神経炎です。
MMNは、CIDPと異なり、運動障害が主で、感覚が障害されることはないか、障害があっても軽度です。

MMNも、現在までのところ遺伝することはないとされています。

多巣性 多くの神経が障害される
詳しくは原因のページへ
運動 主に運動障害がみられる
詳しくは発症の特徴・症状のページへ
ニューロパチー 末梢神経に障害が起こる
詳しくは発症の特徴・症状のページへ

神経の構成と障害

脳と脊髄から構成される神経を中枢神経系(以降は中枢神経と表現します)といい、中枢神経から枝分かれして、途中で合流したり、また枝分かれしたりして、体のいろいろな部位に伸びている神経を末梢神経系(以降は末梢神経と表現)といいます。
末梢神経は、体性神経と自律神経に大きく分けられ、体性神経は運動神経と感覚神経に分けられます。

もっと知る

CIDPとMMNは、「難病の患者に対する医療等に関する法律」に基づく「指定難病」に指定されています。近年は新しい治療薬が続々と誕生しており、患者さんにとっては、医療費の助成を受けるなど重要な局面が増加しています。まずは医療機関やお住まいの都道府県の相談窓口(保健所等)に問い合わせてみましょう。

医療費の助成については、「患者さん・ご家族に利用してほしい社会的支援」のページもご参照ください。

監修: 山口大学医学部
神経・筋難病治療学講座 教授
血液脳神経関門先進病態創薬研究講座 研究代表
竹下 幸男 先生 (公開日:2024年5月)