日常生活ではどのようなことに気をつけたらいいの?

先天性プロテインC欠乏症の患者さんでは、二次止血で重要な働きをするプロテインCの量や活性(働き)が生まれつき低下・欠乏しています。
そのため、血液の凝固が過剰に起こりやすく、血栓症が生じやすくなっています。

✔血液の凝固や、二次止血、プロテインCについては、「教えて! 出血後、どのように血は止まるの?(止血のしくみ)」のページをご参照ください。

プロテインCの量・活性が低下・欠乏していると必ず血栓症になるというわけではありません。
しかしながら、どのようなときに血栓症のリスクが高くなるのかを知っておき、ふだんから予防を心がけておくことが大切です。

生まれて間もない赤ちゃん

感染症や脱水に気をつけるなど、十分に注意してあげてください。
止血のしくみが未熟な、生まれて間もない赤ちゃんでは(特に、一組のプロテインC遺伝子の両方に異常があるなど、プロテインCの量・活性が非常に低下している場合は)、血栓症から電撃性紫斑病などの重大な症状が生じることがあります。その場合は、すぐに治療が必要です。

乳幼児~大人の方

感染症や脱水に加えて、長時間座ったままでいる、外傷・手術を受けたために長い間横たわったままでいるなどのいろいろなことが重なったときに、血栓症のリスクが高くなるとされています。

女性の方では、妊娠・出産、経口避妊薬などの女性ホルモン剤の使用でリスクが高まることがあります。

血栓症が起こらないように心がけておきたいこと

  • 感染症に気をつける
  • 長時間座ったままでいない
  • ときどき、足の曲げ伸ばしなどをする
  • 寝たままでもできる運動をする
  • こまめに十分な水分を取る
  • 肥満を改善する
  • コーヒーやアルコールを控える
  • 大きな手術を受ける、飛行機などで長時間移動する、災害で長期間避難するなど、同じ姿勢を取らざるを得ないときにも予防を意識する

✔先天性プロテインC欠乏症の詳しい説明(遺伝のこと、症状など)については「教えて! 先天性プロテインC欠乏症とはどのような病気?」のページを、
先天性プロテインC欠乏症の治療については「教えて!先天性プロテインC欠乏症はどのように治療するの?」のページをご参照ください。

監修:九州大学大学院医学研究院 
成長発達医学分野 教授 大賀 正一 先生

(公開:2024年9月)