どのような社会的支援があるの?

先天性プロテインC欠乏症は、「特発性血栓症(遺伝性血栓性素因によるものに限る)」として、「難病の患者に対する医療等に関する法律」(難病法)に基づく指定難病に認定されています。
さらに、「児童福祉法」に基づく「小児慢性特定疾病」にも認定されています。

※遺伝性血栓性素因:遺伝的な理由で、静脈や動脈に血栓ができやすい体質であること

そんな指定難病・小児慢性特定疾病の患者さんとそのご家族・介護の方を支援するための制度・サービスをご紹介します。

「登録者証」を取得しましょう

登録者証とは、指定難病又は小児慢性特定疾病の患者さんであることを証明するものです。

  • 対象は、指定難病又は小児慢性特定疾病の診断(国が定める基準)を受けている方です。
  • 登録者証の提示により、指定難病・小児慢性特定疾病の患者さんが、障害福祉サービス、就労支援などの支援・サービスを円滑に利用することができます。
  • 医師の診断書に代わって指定難病又は小児慢性特定疾病の患者さんであることを証明することができます。
    したがって、手続きのたびに診断書を用意する必要はありません。
  • 原則として、マイナンバーを用いた情報連携により活用されるため、マイナンバーカードが登録者証となります。
  • 都道府県・指定都市の担当窓口に申請する必要があります。
    申請方法や登録者証の発行方法は都道府県・指定都市により異なりますので、お住まいの地域の担当窓口に相談してみましょう。

医療費の助成について教えて

難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)

難病患者さんに対する良質かつ適切な医療を確保し、患者さんの療養生活の質の維持向上を図ることを目的とする法律です。
支給認定を受けた指定難病の患者さんには、その医療に要した費用について、特定医療費が支給されます。

難病法に基づく指定難病としての医療費助成

先天性プロテインC欠乏症は、指定難病に認定されています。
そのため、以下のいずれかを満たす場合に医療費助成を受けることができます。

  • 重症度分類等に照らして病状の程度が一定程度以上
  • 重症度分類等を満たさないものの、高額な医療の継続が必要(軽症高額該当)
<申請のポイント>

(1)診断書の準備

医療費助成の申請を行うには、指定医を受診して診断書(臨床調査個人票)を発行してもらう必要があります。

診断書(臨床調査個人票)は、都道府県・指定都市が指定した難病指定医(又は協力難病指定医)が作成したものに限ります。

指定医以外の医師が作成した診断書は認められません。

難病指定医 新規申請及び更新申請に必要な診断書(臨床調査個人票)を作成することができる
協力難病指定医 更新申請に必要な診断書(臨床調査個人票)のみ作成することができる

難病指定医・協力難病指定医は、都道府県のホームページ等で確認するか、難病情報センターの「難病指定医療機関・難病指定医」のページから検索してください。

難病情報センター「難病指定医療機関・難病指定医」のページ:
https://www.nanbyou.or.jp/ ※外部サイトに移動します。
パソコンでは、トップ画面右側に縦に並ぶボタンから「難病指定医療機関・難病指定医」のページにアクセスしてください。

(2)申請

診断書(臨床調査個人票)と他の必要書類を揃えて、都道府県・指定都市の担当窓口に医療費助成の申請をします。
必要書類や詳しい申請方法については、お住まいの地域の担当窓口にお問い合わせください。

都道府県・指定都市の担当窓口は、都道府県のホームページ等で確認するか、難病情報センターの「都道府県・指定都市関係機関」のページから検索してください。

難病情報センター「都道府県・指定都市関係機関」のページ:
https://www.nanbyou.or.jp/ ※外部サイトに移動します。
パソコンでは、トップ画面右側に縦に並ぶボタンから「都道府県・指定都市関係機関」のページにアクセスしてください。

(3)審査

都道府県・指定都市による審査が行われます。

支給認定されると「特定医療費(指定難病)受給者証(医療受給者証)」が交付されます。

認定されない場合は、不認定通知が送付されます。

(4)受診

難病指定医療機関を受診して医療受給者証を提示すると、医療費助成が受けられます。
難病指定医療機関とは、都道府県・指定都市が指定した病院・診療所、薬局、訪問看護ステーションなどのことです。

原則として、指定難病の医療費助成を受けることができるのは、難病指定医療機関で受けた医療に限られます。

原則として、難病指定医療機関ではない医療機関で受けた医療については、助成の対象になりません。

難病指定医療機関は、都道府県のホームページ等で確認するか、難病情報センターの「難病指定医療機関・難病指定医」のページから検索してください。

難病情報センター「難病指定医療機関・難病指定医」のページ:
https://www.nanbyou.or.jp/ ※外部サイトに移動します。
パソコンでは、トップ画面右側に縦に並ぶボタンから「難病指定医療機関・難病指定医」のページにアクセスしてください。

(5)治療

医療費助成の対象となる医療の内容は、
・診察
・薬剤の支給
・医学的処置・手術・その他の治療
・訪問看護
・訪問リハビリテーション
などです。

対象医療の範囲は、医療受給者証に記載された指定難病や、その指定難病に付随して発生する病気・ケガに関する医療と介護です。

指定難病・付随して発生する病気・ケガ以外の医療費等については、助成の対象になりません。

(6)有効期限と更新

支給認定の有効期間は、原則1年以内です。
有効期間を過ぎて治療継続が必要な場合は、更新申請を行う必要があります。

医療費の助成については、以下のサイトもご参照ください。
難病情報センター「医療費助成制度」のページ:
https://www.nanbyou.or.jp/ ※外部サイトに移動します。
パソコンではトップ画面右側に縦に並ぶボタンから「医療費助成制度」のページにアクセスしてください。

厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」のページ:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/juuyou/kougakuiryou/index.html
※外部サイトに移動します。

小児慢性特定疾病としての医療費助成

先天性プロテインC欠乏症は小児慢性特定疾病対策の対象であり、18歳未満の患者さんは医療費の助成を受けることができます。

医療費助成の申請については、指定難病としての医療費助成と同様に行います。

(1)小児慢性特定疾病指定医を受診して、診断書(医療意見書)を発行してもらう。

(2)診断書(医療意見書)と他の必要書類を揃えて、都道府県・指定都市(又は中核市・児童相談所設置市)の担当窓口に医療費助成の申請をする。

(3)都道府県等による審査が行われ、認定された場合に医療受給者証が交付される。

(4)指定医療機関を受診して、治療を受ける。

詳しいことは、お住まいの地域の担当窓口でご相談ください。

小児慢性特定疾病に対する医療費の助成、指定医・指定医療機関及び担当窓口については、以下のサイトをご参照ください。
小児慢性特定疾病情報センター「医療費助成」「自立支援/自治体窓口」のページ:
https://www.shouman.jp/ ※外部サイトに移動します。

難病患者さんのための医療提供体制

難病患者さんができる限り早期に正しい診断を受け、より身近な医療機関で適切な医療を受けることができるように、難病診療連携拠点病院を中心とした医療提供体制が整えられています。

  • 難病診療連携拠点病院:より早期に正しい診断をする。
    難病診療連携コーディネーター・難病診療カウンセラーが配置されており、患者さんやご家族・介護の方からの相談に対応しています。
  • 難病診療分野別拠点病院:専門領域の診断と治療を提供する。
  • 難病医療協力病院:身近な医療機関で医療の提供と支援を行う。

難病診療連携拠点病院等は、都道府県のホームページ等で確認するか、難病情報センターの「難病医療提供体制・難病診療連携拠点病院等・IRUD」のページから検索してください。
難病情報センター「難病医療提供体制・難病診療連携拠点病院等・IRUD」のページ:
https://www.nanbyou.or.jp/ ※外部サイトに移動します。
パソコンではトップ画面右側に縦に並ぶボタンから「難病医療提供体制・難病診療連携拠点病院等・IRUD」のページにアクセスしてください。

障害者総合支援法について教えて

「障害者自立支援法」が「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)」に改正され、対象である障害者(身体障害者、知的障害者、精神障害者・発達障害者)の範囲に、難病患者さんが追加されました。

障害者総合支援法は、障害・難病の方がその尊厳にふさわしい日常生活や社会生活を営むことができるように、障害福祉サービスに係る給付、地域生活支援事業その他の支援を総合的に行うことなどを目的とした法律です。

先天性プロテインC欠乏症の患者さんも、指定難病「特発性血栓症(遺伝性血栓性素因によるもの)」として、身体障害者手帳を所持しているかどうかにかかわらず、必要と認められた支援が受けられます。

18歳未満の患者さんについては、児童福祉法に基づく障害児通所支援や、障害者総合支援法に基づく「居宅介護」「短期入所」などの障害福祉サービス及び地域生活支援事業が利用できます。

障害者総合支援法による主なサービス

介護給付

  • 居宅介護
  • 重度訪問介護
  • 同行援護
  • 行動援護
  • 重度障害者等包括支援
  • 療養介護・生活介護
  • 短期入所
  • 施設入所支援

自立支援医療

訓練等給付

  • 自立訓練
    (機能訓練・生活訓練)
  • 就労移行支援
  • 就労継続支援
    (雇用型、非雇用型)
  • 就労定着支援
  • 自立生活援助
  • 共同生活援助

相談支援

補装具

患者さん

地域生活支援事業

障害・難病の方が地域で日常生活や社会生活を過ごしやすくするために、都道府県や市区町村が柔軟に支援するもの

サービスの利用・支援を希望する場合は、申請する必要があります。
詳しいサービス・支援の内容や利用方法、申請方法については、お住まいの地域の担当窓口でご確認ください。
難病情報センター「都道府県・指定都市関係機関」のページ:
https://www.nanbyou.or.jp/ ※外部サイトに移動します。
パソコンでは、トップ画面右側に縦に並ぶボタンから「都道府県・指定都市関係機関」のページにアクセスしてください。

難病患者さんの就労支援について教えて

難病患者さんのための就労支援として、厚生労働省では様々な支援を用意しています。

難病患者さんのための主な就労支援

すぐに就職したい
就職先を紹介してほしい

  • ハローワークにおける職業相談・職業紹介
  • (事業主に向けた)
    障害者トライアル雇用事業

就職に向けて相談したい
就職に向けた準備をしたい

  • 難病患者就職サポーターによる支援
  • 地域障害者職業センターにおける
    職業リハビリテーション
患者さん

職場定着のため支援してほしい
就職後の相談がしたい

  • 職場適応援助者(ジョブコーチ)支援
  • 治療と仕事の両立支援

詳しいことは、都道府県の労働局やハローワークで確認してください。
難病相談支援センターでも就労に関する相談に応じています。

難病相談支援センターについて教えて

難病相談支援センターは、難病の患者さんやそのご家族・介護の方の療養上・日常生活上での悩みや不安等の解消を図ることなどを目的に、様々なニーズに対応した支援を行う施設として、都道府県・指定都市に設置されています。

難病相談支援センターには看護師、保健師、社会福祉士等の資格を持つ難病相談支援員が在籍しています。
知りたい情報があるとき、不安や疑問があるときなど、積極的に活用しましょう。

難病相談支援センターの主な事業内容

相談支援

  • 療養生活・日常生活に関する相談対応・支援
  • 公的手続き等に関する相談対応・支援
  • 住居、就労、公共サービス等に関する情報提供 など

就労支援

  • 就労に関する相談対応・支援、情報提供
  • ハローワーク等の関係機関との連携 など
患者さん

地域交流会等の(自主)活動に対する支援

  • 患者会等の自主的な活動、患者団体との交流を図るための場の提供
  • セミナー等の活動支援 など

講演・研修会の開催

  • 医療従事者等を講師とした患者さんやご家族・介護の方に対する講演会の開催
  • その他の各種研修会 など

難病相談支援センターは、都道府県のホームページ等で確認するか、難病情報センターの「難病相談支援センター」のページから検索してください。
難病情報センター「難病相談支援センター」のページ:
https://www.nanbyou.or.jp/ ※外部サイトに移動します。
パソコンではトップ画面右側に縦に並ぶボタンから「難病相談支援センター」のページにアクセスしてください。

(公開:2024年9月)