先天性プロテインC欠乏症はどのように治療するの?

先天性プロテインC欠乏症やこの病気が原因となって起こる血栓症の主な治療には、大きく分けて「根治療法」「血栓症急性期の治療」「再発予防のための治療」があります。

主な治療法 主に使われるお薬など
根治療法 肝移植
血栓症急性期の治療 抗凝固療法
  • 未分画ヘパリン
  • 低分子量ヘパリン
  • 合成Xa阻害薬
  • 直接経口抗凝固薬(DOAC)
血栓溶解療法
  • 遺伝子組換え組織プラスミノーゲンアクチベータ(t-PA)
  • ウロキナーゼ
血栓吸引療法
補充療法
  • 新鮮凍結血漿
  • プロテインC製剤
  • 活性化プロテインC製剤
再発予防のための治療 抗凝固療法
  • ワルファリン
  • 直接経口抗凝固薬(DOAC)
  • 未分画ヘパリン
補充療法
  • 新鮮凍結血漿
  • プロテインC製剤
根治療法

根治療法とは、病気を完全に治すことを目指して、病気の原因を取り除こうとする治療法のことです。

先天性プロテインC欠乏症に対する根治療法としては、肝移植があります。
プロテインCが作られる肝臓を移植することで、この病気の完治が期待できます。

血栓症急性期の治療

血栓症が急にあらわれたとき・起こり始めたとき・急に悪化したとき(急性期)には、以下の治療が行われます。

再発予防のための治療

先天性プロテインC欠乏症の患者さんは、プロテインCが生まれつき低下・欠乏しているため、長期間の治療が必要になることがあります。
そのため、血栓症の再発予防として、長期にわたって抗凝固療法や補充療法(新鮮凍結血漿、プロテインC製剤)を行うことがあります。

監修:九州大学大学院医学研究院 
成長発達医学分野 教授 大賀 正一 先生

(公開:2024年9月)