ゴーシェ病の治療
ゴーシェ病の治療
監修:大阪大学大学院医学研究科 保健学専攻 成育小児科学 教授 酒井規夫先生
- 治る病気なのでしょうか?
- 現在、完治できると言える治療法はありません。しかし、現在は根本的な治療法としての酵素補充療法などがあります。症状の程度、病変部位は患者さんによって異なるので、その有効性は同じではありません。しかし、早期に診断して早期に治療を開始することが大切です。
- どのような治療法があるのでしょうか?
- 酵素補充療法が最も根本的な治療法です。そのほかに、基質合成抑制療法や骨髄移植などがあります。
- 酵素補充療法は、どのような治療法ですか?
- ゴーシェ病の患者さんでは、全身の細胞でグルコセレブロシダーゼという酵素が不足または働きが弱くなっているため、薬として合成としたグルコセレブロシダーゼを静脈から注射して体内に補充する治療です。2週間に1回の治療が必要です。
- 酵素補充療法は、長期にわたって効果が持続するのでしょうか?
- 1回の注射で効果が長期に持続するわけではありません。しかし、2週間に1回酵素を補充すれば、治療効果を長期にわたって持続させることが示されています。
- 酵素補充療法で全ての症状が改善されるのでしょうか?
- 酵素補充療法で全ての症状が改善されるわけではありません。内臓症状や血液症状、骨症状は改善しますが、けいれんや眼の動きがおかしいといった神経症状に対する有効性は示されていません。
- 学校や仕事など社会生活を送りながら治療は行えますか?
- 症状等によりますが、社会生活を送りながら定期的な通院による治療を行うことができます。