ゴーシェ病の症状1)
ゴーシェ病の症状1)
監修:東京慈恵会医科大学 井田 博幸 先生
肝臓や脾臓が腫れて大きくなったり(肝脾腫)、貧血になったり、
血が止まりにくくなる(血小板減少)という症状が特徴
ゴーシェ病の患者さんではグルコセレブロシダーゼの働きが悪いため、成長するにつれて、グルコセレブロシドが肝臓、脾臓、骨髄の細胞内に過剰にたまっていきます。その結果、内臓の症状として肝腫大・脾腫大、血液の異常として貧血や血小板減少、骨の症状として骨痛や骨折、そして神経の症状として、けいれん、発達の遅れ、目の動きがおかしい(異常眼球運動)、斜視がよく見られます。
神経の症状
神経型ゴーシェ病の患者さんでは、けいれんや発達の遅れ、眼球の動きがおかしくなったり(異常眼球運動)、斜視などの症状が起こります。
血液の症状
脾臓が腫れて大きくなることで、脾臓の機能が活発になるため、貧血になったり、血小板の数が少なくなります。貧血になると顔色が悪くなったり、立ちくらみが起こったりします。また、血小板の数が減少すると、血が止まりにくくなったり、アザができやすくなります。
内臓の症状
肝臓や脾臓の細胞にグルコセレブロシドがたまることで、肝臓や脾臓が腫れて大きくなり、見た目でわかるくらいお腹がふくれることがあります。
骨の症状
骨の細胞にグルコセレブロシドがたまることで、骨の痛みを感じたり、骨の代謝バランスが崩れることで骨量が減少し、骨の変形や骨折などが起こりやすくなります。症状が進行すると、股関節の骨が壊死します(大腿骨頭壊死)。そして骨が変形すると、歩くことが困難になります。
文献
- 1.井田博幸 編. ライソゾーム病―最新の病態、診断、治療の進歩―. 診断と治療社. p168-169. 2023.