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ゴーシェ病の分類(病型)

監修:東京慈恵会医科大学 井田 博幸 先生

ゴーシェ病のタイプは3つ

ゴーシェ病は神経の症状があるかないか、そして神経症状の重さによりⅠ〜Ⅲ型の3つのタイプに分類されます。

ゴーシェ病3つのタイプ
発症時期Ⅰ型Ⅱ型Ⅲ型
幼児〜成人乳児幼児〜成人
神経の症状
(けいれん、斜視、 発達の遅れなど)
なしあり(強い)あり(II型に比べ軽い)
肝臓、脾臓の症状
(肝臓や脾臓の腫れ)
なし〜ありありあり
骨の症状
(骨の痛み、骨折 など)
なし〜ありなしなし〜あり

ゴーシェ病 診断・治療ハンドブック編集委員会. ゴーシェ病 診断・治療ハンドブック 第2版. イーエヌメディックス. p4. 2016.より一部改変

 Ⅰ型は、けいれんなどの神経の症状がないことが特徴です。肝臓や脾臓が大きくなる、貧血や血が止まりにくいといった血液の症状、骨の痛みなどの骨症状が主な症状です。発症年齢は幼児から成人までと幅広く、日本人では5歳以下で診断される方が多いです。

 Ⅱ型は乳児期に発症する、けいれん、発達の遅れなどの神経症状と、この神経の症状の早い進行が特徴です。それに加えて、肝臓や脾臓の腫れを伴います。治療をしない場合、2歳頃までに亡くなる方が多いです。

 Ⅲ型は、肝臓や脾臓が大きくなり、しかも神経の症状が出ますが、それらの症状が現れるのはⅡ型と比べて遅く、神経症状の進行も緩やかに進みます。

日本人に多いⅡ型、Ⅲ型

海外ではⅠ型の患者さんがほとんどですが、日本人ではⅡ、Ⅲ型という神経型ゴーシェ病の頻度が高く、両者を併わせると全体の6割以上を占めます1)。また日本人では経過中に神経症状が出現し、ゴーシェ病のタイプがⅠ型からⅢ型へ変化することもあります。

文献
  • 1.衞藤義勝, 井田博幸 編. ゴーシェ病UpDate. 診断と治療社. p29.2016.