肝細胞がんの検査・診断

肝機能の評価

肝細胞がんの治療法は、病期のほかに、肝障害の程度(肝予備能:肝機能がどれくらい保たれているか)をふまえて検討されます。その場合に、「Child-Pugh[チャイルド・ピュー]分類」や「肝障害度分類」、「ALBIスコア」が用いられます。
Child-Pugh分類ではAからCへと進むにつれて、ALBIスコアではGrade 1から3へと進むにつれて、肝障害が重症化することを意味します。

Child-Pugh分類

各項目のポイントを加算して、その合計点で分類する。

Child-Pugh分類
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⽇本肝臓学会 編 「肝癌診療マニュアル 第4版」 2020年, p91, 医学書院

肝障害度分類

臨床所⾒、⾎液⽣化学所⾒により3度に分類する。
各項目別に重症度を求め、そのうち2項目以上が該当した肝障害度をとる。

肝障害度分類

※2項目以上の項目に該当した肝障害度が2ヵ所に生じる場合には、高いほうの肝障害度をとる。例えば、肝障害度Bが3項目、肝障害度Cが2項目の場合には肝障害度Cとする。また、肝障害度Aが3項目、B、Cがそれぞれ1項目の場合はBが2項目相当以上の肝障害と判断して肝障害度Bと判定する。

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⽇本肝臓学会 編 「肝癌診療マニュアル 第4版」 2020年, p102, 医学書院

【参考】ALBIスコア

以下の計算式により、スコアを算出する。

(log10(17.1×血清ビリルビン値[mg/dL])×0.66)+(10×血清アルブミン値[g/dL]×-0.085)

ALBIスコア
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日本肝癌研究会 編:臨床・病理 原発性肝癌取扱い規約 第6版[補訂版], ⾦原出版, 東京, p16, 2019
Hiraoka A, et al.: Liver Cancer. 2017; 6(4) 325-336