治療後のフォローアップ

肝細胞がんの再発

肝細胞がんは再発しやすいという特徴があり、根治的な治療として肝切除を行っても5年後の累積再発率は約80%にものぼることが報告されています。
肝切除後に再発する場合のほとんどは、肝臓内での再発(肝内再発)です。その要因としては、肝臓内への転移によって発生したがん(肝内転移)や、肝切除後に残っている肝臓で発生したがん(残肝再発)が考えられています。
そのため、治療後の経過観察や検査を定期的に行い、肝細胞がん再発の早期発見・早期治療につなげることが重要です。

治療後のフォローアップ

肝切除後は、3ヵ月毎に問診・診察、腫瘍マーカーなどを調べるための血液検査、超音波(エコー)検査を行い、6ヵ月毎に造影剤を注入して行うダイナミックCT/MRIなどの画像検査を行うことが推奨されています。
また、肝機能を維持して再発を抑える目的で、肝炎を鎮静化させるための治療(肝庇護[ひご]療法)や、B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスに感染している場合には抗ウイルス療法を行うことがあります。

再発に対する治療

肝切除や穿刺局所療法後に再発した場合、肝臓以外の他の臓器への転移がなければ、残っている肝臓の量、肝機能、再発によるがんの数や大きさなどを考慮した上で、初発時と同じように肝切除を含めた治療法が検討されます。