「てんかん」とはどんな病気ですか?
「てんかん」は、さまざまな原因により脳の電気信号がときに大きく乱れることで、体の一部が固くこわばったり、手足がしびれたりするなど多様な「てんかん発作」が繰り返し起こる脳の病気です。
混同されがちですが、「てんかん」は病気の名称で、「てんかん発作」はてんかんによって起こるさまざまな症状のことを指します。「けいれん」はてんかん発作の症状のひとつで、自分の意思と関係なく筋肉が収縮する運動のことです。てんかんには、けいれんが起こるタイプのものもあれば起こらないタイプもあります。
脳には1,000億以上の神経細胞があるとされ、それらの神経細胞がつながり合って巨大な神経ネットワークを形成しています。この神経ネットワークでは微弱な電気信号で情報が伝達されており、その電気信号が脳からの指令として全身に伝えられることで、人は見たり、聞いたり、考えたり、手足を動かしたり、感情を抱いたりすることができるのです。
通常の神経ネットワークでは、電気信号が一定の強さやパターンでスムーズに行き来していますが、てんかんがある方では電気信号が突然大きく乱れ、それが全身に伝わってさまざまなてんかん発作が繰り返し起こります。わかりやすくたとえると、テレビを見ている時に何らかの電波障害が起きて、突然映像が消えたり、乱れたりするイメージです。