リンパ腫の原因
ウイルス・細菌、感染による炎症との関連
悪性リンパ腫の原因はほとんど解明されていません。
しかし、ウイルス等の感染が一部のリンパ腫の原因になることがあります。
ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)は、成人T細胞白血病リンパ腫の原因になることがあります。胃に発生するマルト(MALT)リンパ腫は、ほとんどのケースでピロリ菌に感染し、慢性胃炎が起こっています。ピロリ菌を除菌すると悪性リンパ腫も小さくなる場合もあります。これらに感染したすべての人ではなく、ごく一部の人に悪性リンパ腫が発症します。
遺伝子の異常
悪性リンパ腫の細胞を調べると、染色体異常が見つかる場合があります。そのため、染色体異常に伴う遺伝子の異常が発症にかかわっていると考えられています。遺伝子異常の原因としては、加齢、慢性の炎症、放射線に曝(さら)されるなどが関連しているともいわれていますが、解明されていません。
遺伝子の異常がみつかっていますが、親から子に遺伝する病気ではありません。
永井正:図解でわかる白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫. 法研. 2016: 154-155.
・堀田知光(編), 永井宏和(著):インフォームドコンセントのための図説シリーズ 悪性リンパ腫 改訂3版. 1.悪性リンパ腫とは. 医薬ジャーナル社. 2017: 6-9.
・永井正:図解でわかる白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫. 法研. 2016: 154-155.
- 治療後の生活について
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