再発又は難治性のCD30陽性ホジキンリンパ腫治療でアドセトリスの投与を受ける患者さんへ
副作用アドセトリスの副作用は?
アドセトリスによる治療中は、ほとんどの患者さんで何らかの副作用がみられています。副作用には個人差があり、どのような症状が、いつ頃、どの程度あらわれるかは患者さんによって異なります。
予測される副作用を理解することは、早期対処により副作用の重症化を回避し、アドセトリスによる治療の継続につながりますので大切です。
これからご紹介する症状以外でも、気になる症状があれば遠慮なく医師、薬剤師、看護師にご相談ください。
注意すべき副作用としてどのようなものがありますか?
アドセトリスで治療を受ける場合において、特に注意すべき副作用には、投与直後にあらわれる副作用と、時期は特に決まっていない副作用があります。
投与直後によくあらわれる副作用
注入反応
アドセトリスのような抗体製剤の血液中への注入時または注入後数時間以内に起きる薬剤過敏症です。まれにショックなどのアレルギー様症状がみられることがあります。
発疹やかゆみなどのアレルギー症状があらわれたら、すぐに医師、薬剤師、看護師にお知らせください。
発熱、息苦しい、じんま疹が出る、かゆい、腫れる(むくみ)、心臓がどきどきする、寒気、吐き気、咳などの症状があらわれます。
特に時期に関係なくあらわれる副作用
末梢神経障害
アドセトリスで比較的多くみられる副作用です。手足の先がしびれる、痛くなる、感覚が鈍くなる、⼿⾜の⼒が⼊らない、熱さや冷たさを感じにくくなるなど感覚の異常症状があらわれます。場合によっては、歩行困難など動作にも支障をきたします。このような症状があらわれた場合にはがまんしないで、すぐに医師、薬剤師、看護師にお知らせください。
しびれ、痛み、脱力感、感覚の異常(敏感または鈍感ほか)などの症状があらわれます。
<例>ボタンがかけにくい、物がつかみづらい、歩⾏時につまずくことが多い
感染症
アドセトリスを投与したことにより感染防御に働く白血球が少なくなり、抵抗力が低下して、感染症にかかりやすくなります。風邪のような症状があらわれた場合には、すぐに医師、薬剤師、看護師にお知らせください。
発熱、咳が出る、のどが痛い、だるい、寒気、風邪のような症状、口や肛門周囲に痛みを伴うただれなどがあらわれます。
進行性多巣性白質脳症(PML)
健康成人でも多くの人が体内にもっているウイルスが、治療による免疫力低下によって活発になった結果、脳内の多数の部位に病巣が作られる病気です。
初期の症状は、片側あるいは両側の手足の運動障害(まひ)、発語することや、話された言葉を理解することが困難(失語)、記憶、思考、判断などの知的能力(認知機能)の障害、視力障害などです。
PMLはまれに起こる疾患ですが、起きた場合は速やかに処置をしないと症状が重くなることがあります。
症状があらわれているのに患者さん自身では気づかない場合もありますので、ご家族にも注意いただく必要があります。またこのような症状があらわれた場合は、すぐに医師、薬剤師、看護師にお知らせください。
高血糖
血液の中に含まれる糖の濃度(血糖値)が高い状態になることがあります。高血糖が長く続くと全身の様々な臓器に障害をもたらします。血糖値が極めて高い状態では、昏睡に陥ることもあります。症状としてはのどが乾くことがあげられますが、多少の血糖値の増加では症状がみられないことが多いです。
のどが乾く症状があらわれたら、すぐに医師、薬剤師、看護師にお知らせください。