小児リンパ腫の疫学
どのようなリンパ腫が多いのか
15歳以下で発症するがんを「小児がん」と呼びます。小児がんのうち、約10%を占めるのが悪性リンパ腫です。また、AYA(あや)世代は、15~39歳の思春期・若年成人を指します。
国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」
<https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/child_aya.html>(最終アクセス2023年11月2日)
悪性リンパ腫にはホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫がありますが、日本では非ホジキンリンパ腫が約90%を占めています。
小児非ホジキンリンパ腫では約80%を、リンパ芽球性リンパ腫、バーキットリンパ腫 、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、未分化大細胞リンパ腫の4つのタイプ(病型)が占めています。それ以外のタイプでは、濾胞性リンパ腫、末梢性T細胞リンパ腫、NK/T細胞リンパ腫などもみられますが、ごくまれです。成人と比較してタイプ(病型)の多様性が少なく、進行性の病態を示すことが多くなっています。
発症する年齢は5歳以上が多く、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、未分化大細胞リンパ腫は10~14歳に多くみられます。
小児リンパ腫は限局期であれば病型にかかわらず90%以上、進行期では病型により70~90%の治癒率が期待できます。
小林良二:研修ノートシリーズ 血液科研修ノート 第1版. 診断と治療社. 2016: 440-443.
・飛内賢正, 木下朝博, 塚崎邦弘(編):悪性リンパ腫治療マニュアル(改訂第5版). 南江堂. 2020: 354-357.
・小林良二:研修ノートシリーズ 血液科研修ノート 第1版. 診断と治療社. 2016: 440-443.
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