小児リンパ腫が発生する場所
小児リンパ腫は体のどこに発生するのか
悪性リンパ腫とは、体を細菌やウイルスから守る働きをしている血液中のリンパ球ががん化して、多くの場合、リンパ組織やリンパ外組織(節外臓器)で腫瘤(しこり)をつくる病気です。リンパ組織は全身にあり、リンパ球は血液を介して全身を巡り、体を守っています。悪性リンパ腫はすべての部位に出現するおそれがあります。
単に「リンパ腫」と言えば「悪性リンパ腫」を指します。
悪性リンパ腫の一般的な症状は、首やわきの下、足のつけ根などリンパ節の多いところに腫れ、痛みのないしこりが現れます。原因不明の発熱が続いたり、急に体重が減少したり、ひどい寝汗といった症状が現れる場合もあります。
小児リンパ腫のタイプ(病型)別の発生部位
小児非ホジキンリンパ腫はリンパ外組織に高い頻度で認められます。
悪性リンパ腫のタイプ(病型)別では、小児非ホジキンリンパ腫のバーキットリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫は、おなか、ワルダイエル輪(扁桃、アデノイド、鼻咽頭、上顎洞)に、リンパ芽球性リンパ腫(前駆T細胞リンパ腫)は縦隔に、未分化大細胞リンパ腫は、軟部組織(体を構成する組織のうち、内臓などの臓器や骨を除いた部分の組織)や、骨、皮膚に認められることがあります。小児ホジキンリンパ腫は、リンパ節の腫れ、とくに首に痛みがない腫れや、発熱、体重減少などの症状が認められます。縦隔での病変も高い頻度で認められます。
・伊豆津宏二(監):もっと知ってほしいリンパ腫のこと. NPO法人キャンサーネットジャパン. 2019: 4.
・日本血液学会, 日本リンパ網内系学会(編):造血器腫瘍取扱い規約 第1版. 金原出版. 2010: 150.
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