小児リンパ腫の治療後の生活
経過観察について
治療終了後も、体調の変化や再発の有無を調べるため、経過観察 をする必要があります。担当医の指示に従い、定期的に通院を続けてください。5年を経過したら年1回くらいの通院になります。
経過観察中は免疫力が回復していないことがあるため、感染症には特に気を付け、家族や学校などで、水ぼうそうやはしかなどの流行があるときは、担当医に対応について相談しましょう。
晩期合併症とは
晩期合併症は、病気は治っても、薬や放射線、手術などの治療や病気そのものの影響が診断後5年を経過しても続いている場合や、新たに出現する症状を晩期合併症といいます。
これから治療をうけるお子様やそのご家族、すでに治療を終了されたお子様やそのご家族に、晩期合併症を知っていただくことは、とても大切です。
体に現れる晩期合併症としては次のようなものがあります。
○内分泌障害(成長ホルモン分泌障害など)
○生殖機能障害
○神経障害(運動障害、けいれん、知能障害、認知能力・記憶力・集中力の障害など)
○心機能障害○骨や歯の異常(骨密度の低下、歯の欠損)
○二次がん(二次性脳腫瘍、二次性白血病など)
以上、晩期合併症は10~30年後に現れることがあるため、定期的な経過観察を続ける必要があります。
『晩期合併症にはどのようものがあるのか』
『どのようなことが問題になっているのか』
『どのように対処していくか』
『治療を終了した後のフォローアップについて』
など、わかりやすく解説されています。
また、いまだわかっていないさまざまな晩期合併症があることや、治療法がわかっていない晩期合併症について、将来その治療法がわかってくる可能性があるため、主治医のところに1年に1回ぐらいは通い、新しい情報を得ることが大切であるとも紹介されています。
長期フォローアップとは
小児がん経験者にとって、体と心の健康管理は、とても重要です。この治療後の健康管理のことを、長期フォローアップと言います。長期フォローアップの目的は、リスクの把握、自身の健康管理とリスク予防、晩期合併症の早期発見と適切な対処にあります。
身近に相談できる長期フォローアップの窓口を見つけておくことが大切です。
・国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター(編):がんの冊子 小児がんシリーズ リンパ腫 第4版. 2023: 18-21.
・公益財団法人がんの子どもを守る会. ⑫晩期合併症. 2019年 5月.
・公益財団法人がんの子どもを守る会. 小児がん経験者のためのハンドブック. 2014年 11月.
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