AYA(あや)世代のリンパ腫
AYA(あや)世代とは
15~39歳の思春期・若年成人をAYA(あや)世代と呼びます。
AYAは、英語の「Adolescent and Young Adult:思春期と若年成人」の頭文字からつくられた言葉です。
AYA世代は、進学、就職、結婚、子どもの誕生など、夢と希望があふれた年代といわれています。
AYA世代のがん
AYA世代のがんの罹患者数は少なく、2015年の全国調査によると新規AYA世代のがんの発生数は全体の3.7%でした。
15~29歳のAYA世代に発症するがんは、臓器や組織型がさまざまで、希少がん(胚細胞腫瘍・性腺腫瘍など)、甲状腺がん、血液がん(白血病、悪性リンパ腫)などが多いのが特徴です。
国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」
<https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/child_aya.html>(最終アクセス2023年11月2日)
AYA世代のリンパ腫の治療は?
15~19歳の思春期・若年成人の悪性リンパ腫では、成人の治療法よりも、小児リンパ腫の標準治療を行ったほうが治療成績が良いという報告があります。また、20〜29歳の若年成人に小児型の治療法を行った場合でも特別な有害事象が増えたという報告はなく、治療は可能であるという報告もあります。
とくに、リンパ芽球性リンパ腫では、ALL(小児急性リンパ性白血病)型の化学療法のほうが優れた治療法であるという報告があります。
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)や、バーキットリンパ腫の治療においても、10~30年後の副作用(晩期合併症)の危険性を回避するために、小児の短期集中治療法が用いられます。20歳以上では、成人の治療法で進めることもあります。
・平成27-29年厚生労働科学研究「総合的な思春期・若年成人(AYA)世代のがん対策のあり方に関する研究」(研究代表者 堀部敬三). 公益財団法人がんの子どもを守る会. 2019年 12月. 8-9.
・一般社団法人日本小児血液・がん学会(編):小児白血病・リンパ腫診療ガイドライン 2016年版. 金原出版. 2016: 99-102.
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