皮膚リンパ腫のお話

皮膚リンパ腫の診断

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皮膚リンパ腫と診断されるまでには、皮膚症状、血液検査、組織検査、免疫学的検査など様々な検査が行われます。

「組織検査」では、皮膚の一部を切除して(「生検」といいます)顕微鏡で調べ、皮膚リンパ腫のタイプ(病型)を判定します。

「免疫学的検査」では、がん化しているリンパ球がT細胞であるか、 B細胞であるか、あるいはNK細胞であるか、治療方針を決めるための参考としてCD3、CD4、CD8、CD20、CD30など、腫瘍細胞(がん細胞)のもつ抗原を調べます。

画像検査」や「骨髄検査」では、病気の広がりの程度を調べます。

代表的な皮膚リンパ腫の検査

血液検査白血球数、白血球分画、赤血球数、ヘモグロビン値、血小板数、LDH(乳酸脱水素酵素)、β2ミクログロブリン、sIL-2R(可溶性インターロイキン-2レセプター)、尿酸値など
組織検査皮膚やリンパ節の一部を切除して、顕微鏡で調べます。
免疫学的検査皮膚T細胞リンパ腫であるか、皮膚B細胞リンパ腫であるか、あるいは皮膚NK細胞リンパ腫であるかを調べます。治療法を決めるための参考として、CD3、CD4、CD8、CD20、CD30など、腫瘍細胞のもつ抗原を調べます。
画像検査X線検査CT検査超音波検査PET検査など
骨髄検査骨髄液(もしくは、骨髄組織)を採取して、腫瘍細胞(がん細胞)の有無を調べます。

皮膚リンパ腫の病変の広がり(病期)

菌状息肉症とセザリー症候群の病期分類

皮膚T細胞リンパ腫で約半数を占める菌状息肉症とセザリー症候群の病期分類としてTNMB分類があります。病期は以下の4つの因子を組み合わせて決められます。

菌状息肉腫症とセザリー症候群の病期分類の4つの因子

公益社団法人日本皮膚科学会、一般社団法人日本皮膚悪性腫瘍学会(編):
第2章皮膚リンパ腫総論. 科学的根拠に基づく皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン第3版. 2022; 275-288.

菌状息肉症とセザリー症候群以外の皮膚リンパ腫の病期分類

菌状息肉症・セザリー症候群以外の皮膚リンパ腫は、皮膚病変の状態にかかわらず、皮膚病変の大きさや分布する範囲で分類されています

参考文献:

・公益社団法人日本皮膚科学会、一般社団法人日本皮膚悪性腫瘍学会(編):
第2章皮膚リンパ腫総論. 科学的根拠に基づく皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン第3版. 2022; 275-288.

・アドセトリス単剤による治療を受ける患者さんへ

抗原(こうげん)

病原性のウイルスや細菌、がん細胞、花粉、卵、小麦などの生体に免疫応答を引き起こす物質です。

画像検査(がぞうけんさ)

画像検査は、体の全体または一部の「内側」を画像化する検査で、病気の診断、重症度の判定、診断後のモニタリングで行います。
画像検査は、超音波検査、X線(レントゲン)検査、CT検査、PET検査などがあります。

骨髄検査(こつずいけんさ)

骨髄穿刺(こつずいせんし)ともいいます。この検査は、胸骨、もしくは腰にある腸骨に針を刺して、骨の中にある骨髄組織をとる検査です。穿刺吸引法(せんしきゅういんほう)と針生検法(はりせいけんほう)があります。腰の骨(腸骨)に穿刺針を刺して骨髄液を吸引するのが穿刺吸引法、生検針で骨髄組織を採取するのが針生検法です。

X線(レントゲン)検査

X線(レントゲン)検査はX線を照射して、内部の様子を画像化する検査です。

CT検査(シーティーけんさ)

CT検査は、Computed Tomography(コンピュータ断層撮影)のこと。体の周囲からX線を当てて、体の断面図を撮影する検査のことです。病変の大きさや広がりを観察できます。

超音波検査(ちょうおんぱけんさ)

超音波検査は超音波を発する装置を当て、音波のはね返る様子を画像にすることで、体内の状態を観察します。

PET検査(ペットけんさ)

PETはPositron Emission Tomography(陽電子放出断層撮影)のこと。PET検査は放射性ブドウ糖液を注射して、体内から放出される放射線を計測し、断層画像を作成する検査です。細胞のエネルギー源はブドウ糖ですが、がん細胞は正常な細胞より大量のブドウ糖を必要としているため、PET検査で腫瘍の活動の状態を調べることができます。

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