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胸やけの
症状・原因

「胸やけがする・・」や
「酸が上がってくる・・」症状は、
胃の内容物、特に胃酸が食道に逆流することが
原因の一つです。

胸やけとは

「胸やけ」とは前胸部が下のほうから上のほうへと向かって熱くなり、焼けるような感覚です。人によって訴える胸やけ症状はさまざまです。
例えば「みぞおちのあたりから胸の下の方にかけて熱くなるような不快感」、「胸がひりひりとしみる」、「胸のあたりが重苦しい」、「胸がなんともいやな感じ」などと表現することがあります。
さらに、「胸やけ」が続くと、 食事や睡眠などふだんの生活にも影響します。

胸やけは胃酸が食道に逆流することが原因の一つ

胸やけの症状は、胃の中の胃液、とくにその中に含まれる胃酸が食道に逆流することが原因の一つと考えられ「酸逆流症状」と呼ばれています。
胃は胃酸を分泌し、食物の消化と食物と一緒に入ったウイルスや細菌を殺菌します。胃酸の主な成分は塩酸で、金属を溶かしてしまうほどの液体です。胃の内側では胃酸のダメージから胃を守るため「粘液」を分泌し、薄いベールとなって胃の内側粘膜をおおっています。
食道は粘液がないため、何らかの原因で胃酸が食道まで逆流して、食道の粘膜に炎症やびらんができたり、胸やけなどのいろいろな自覚症状が現れます。

酸逆流症状

「酸逆流症状」には「胸やけ」のほかに、つぎのような症状が見られる場合があります。

  • すっぱいものがこみあげてくる
  • せき
  • 胸の痛み
  • 声がかすれる
  • つかえる感じ
  • 耳の痛み

胃食道逆流症、逆流性食道炎と非びらん性胃食道逆流症

このように胃酸が食道に逆流すると、胸やけなどの症状が現れることがあります。
このような症状を呈する病気は「胃食道逆流症」と呼ばれ、英語ではGastro-Esophageal Reflux Diseaseといわれることから、その頭文字をとってGERD(ガード)とも呼ばれています。胃食道逆流症は、症状や食道の粘膜の状態によって、逆流性食道炎と非びらん性胃食道逆流症(Non-Erosive Reflux Disease : NERD)とに分けられます。

逆流性食道炎

胸やけの症状のほか、食道内視鏡で見たとき、胃酸のために食道粘膜がただれ、炎症がある場合は「逆流性食道炎」と診断されます。

木下芳一(監):
気になりませんか?胸やけのお話 酸逆流症状.
2022 Jun; 4.

非びらん性胃食道逆流症

胸やけなどの不快な症状があり、食道粘膜に炎症がない場合は「非びらん性胃食道逆流症」と診断されます。非びらん性胃食道逆流症は、英語でNon-Erosive Reflux Diseaseといわれることから、NERD(ナード)とも呼ばれます。

木下芳一(監):
気になりませんか?胸やけのお話 酸逆流症状.
2022 Jun; 4.

逆流性食道炎や非びらん性胃食道逆流症を放っておくと・・・?

この病気は、生命にかかわる重病ではありませんので心配する必要はありません。しかし、酸逆流症状の多くは、食後や夜間といったくつろぎの時間に起きるので、日常生活に影響します。

逆流性食道炎や非びらん性胃食道逆流症を繰り返していると・・・

炎症がおこって回復する過程で、食道に胃粘膜と同じような上皮が現れてくる場合があります。これを「バレット粘膜」と呼びます。これ自体は悪性ではありませんが、「食道がん」のリスクが高くなる要因となります。欧米では食道がんの原因の約80%がこのバレット粘膜だとされています。 バレット粘膜は治療によって改善することは少なく、バレット粘膜にならないために胃食道逆流症を放置しないことです。

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