腎細胞がんの進行・病期
●腎細胞がんの検査と診断
腎臓に腫瘍が見つかったら、良性のものであるか、悪性のもの(がん)であるか、がんの進行はどの程度かなどを確定診断するために、いろいろな検査を行います。さらに、確定診断後には「病期(ステージ)」の診断を行います。病期とは、がんの広がりや進行の度合い(進行度)など、がんの状態を客観的に知る指標となるものです。これを知ることは、それぞれの患者さんに適した治療方針を決めるためにとても大切です。
腎細胞がんでは、一般的に、お腹の超音波(エコー)検査や血液検査を行いますが、CT検査により診断されることがほとんどです。CT検査により病期も診断できます。ときに生検も行うことがあります。
腎細胞がんの検査
●腎細胞がんの病期分類
「病期(ステージ)」とは、がんの広がりや進行の度合い(進行度)など、がんの状態を客観的に知る指標となるものです。病期分類としては、国際対がん連合の「TNM分類」が広く用いられています。
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どうして病期分類が必要なのですか?
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患者さんにとって最も望ましい治療方針を決定するための指標の一つになるからです。腎細胞がんの場合、手術すべきか、手術するなら腎臓の一部を切除するのか全体を取り除くべきか、おくすりによる治療はどうするかなど、患者さんの全身状態などに加え、病期を踏まえて決定されます。
また、病期を知ることで、今後の見通しについても大まかに予測することができます。
●TNM分類と腎細胞がんの病期
TNM分類では、病期を次の3つの要素の組み合わせで決めます。腎細胞がんでも、3つの要素をもとに、病期を大きくI ~Ⅳ期の4つに分類しています。I期はがんが小さく腎臓内にとどまっている状態、Ⅳ期はがんが腎臓から離れて転移している状態です。
- T:がんはどのくらいの大きさか、どこまで広がっているか
- N:がんは周辺のリンパ節に転移しているか
- M:がんはほかの臓器へ転移しているか