腎細胞がんの治療:手術(外科治療)
-
腎臓に小さな腫瘍があるといわれました。
症状はありませんが、手術を受けなければならないのですか? -
小さな腫瘍(直径が4cm以下)で腎臓内にとどまっているものに対しては、腎臓の一部を切除する「腎部分切除術」が標準的に行われます。しかし、小さな腫瘍には良性のものが含まれていることや、悪性(がん)であっても進行が遅いものがあるため、積極的な治療は行わずに、経過観察(定期的な診察・検査は継続)を行うといった選択肢を取ることもあります。このような処置を「監視療法」と呼んでいます。特に高齢者や合併症の多い方では、この監視療法が行われることがあります。また、手術より体への負担が少ない「経皮的凍結療法」「ラジオ波焼灼術」といった治療法が選択されることもあります。
腎細胞がん治療の基本は手術です。術式としては、がんがあるほうの腎臓をすべて切除して取り除く「腎摘除術」が一般的に選択されます。しかし、最近では健康診断や人間ドックなどで、がんが小さいうちに偶然発見されることが多くなってきました。そのため、がんが生じている部分のみを切除する「腎部分切除術」を行うことも増えています。
手術の方法には「開放手術」と「腹腔鏡手術」があり、腎摘除術でも腎部分切除術でも用いられています。腎部分切除術では「ロボット支援手術」も行われるようになって来ました。
術式と手術方法は、がんの大きさや転移の有無・程度に加え、全身状態、合併症などを考慮して選択されます。
腎細胞がんの手術:術式と方法
腎細胞がんの手術:術式
-
腎臓を取ってしまってもいいのですか?
-
腎臓は2つありますので、手術で片方の腎臓を取ってしまっても、残った腎臓の働きが正常であれば、日常生活に支障が出ることはほとんどありません。将来の人工透析を避けるため、可能であれば腎部分切除術を行って、腎機能を温存します。
高血圧、糖尿病などのある方は、腎臓が片方だけになってしまうと腎機能が低下するおそれがあるため、特に喫煙や過剰な塩分摂取を控え、栄養バランスのよい食事を心がけましょう。
※「日常生活で気をつけること」もご参照ください。