「切除不能」
大腸がんとは
大腸がんの再発と転移
転移が確認されれば、病期はステージⅣと判定
がんが大腸から離れた場所に転移している場合の病期は、ステージⅣに分類されます。大腸に存在するがんを「原発巣」、転移しているがんを「転移巣」といいます1)。
再発には3つのパターンがある
大腸がんの治療は、原則として手術によってがんを完全に切除することです。しかし、目で確認できるがんをすべて切除しても、術後の検査でも確認できないような微小がんが散らばって隠れている可能性があります2)。がん細胞が最初に発生した場所から血管やリンパ管を通って別の臓器や器官で増えることを「転移」といいます。この微小がんが増殖し続け、目に見えるまで大きくなることを「再発」といいます。再発には、3つのパターンがあります2)。
局所再発 | がんがもともとあった場所の近くで再発すること |
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転移再発 | 大腸に発生したがんが、リンパ節、骨、肝臓、脳などの離れた臓器に移って大きくなること。肝臓や肺への転移が多い |
腹膜再発 (腹膜播種) |
大腸から腸壁を超えて腹膜へ転移すること |
ステージⅣと再発転移の大腸がんの治療1)
原発巣と転移巣ともに安全に取り切れる場合は、両方とも切除することを原則とします。
転移巣は取り切れないものの、原発巣が原因で貧血、穿孔(腸に穴があくこと)、腸閉塞などを起こす恐れがある場合、原発巣だけを切除し、転移巣には薬物療法や放射線療法を行います。
原発巣や転移巣の両方とも手術で取り切れない場合は、手術を行わず、薬物療法や放射線療法を選択します。
ステージⅣ・再発大腸がんの治療方針
ステージⅣの大腸がんの場合
再発大腸がんの場合
参考文献:
- 1) 大腸癌研究会編:患者さんのための大腸癌治療ガイドライン2022年版, 44-47, 金原出版, 2022.
- 2) 小野寺久:聖路加国際病院の健康講座 ゼロからわかる大腸がん,88-89,世界文化社,2013.
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このページでは、大腸がんの再発と転移、ステージIVと再発転移の大腸がんの治療についてご説明します。