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Eutrema japonicum (Miq.) Koidz. アブラナ科(Brassicaceae)
本州、四国、九州に分布し、渓流沿いに自生する日本特産の多年草で草丈20~40cmになります。根茎の表面には多くの葉の跡があり、そこから腋芽が出て繁殖します。根茎を「山葵根(わさびこん)」と称して鎮痛・防腐・殺菌作用があります。根茎および葉には配糖体のシニグリンが含まれており、摩り下ろされる過程で酵素(ミロシナーゼ)反応が起き、辛味成分のアリルイソチオシアネートが生成されます。そのためワサビは、細かく細胞を破壊すればするほど辛味が増すので、小さい突起が多数ある鮫(サメ)の皮が用いられます。水ワサビは「沢ワサビ」と呼ばれ、有機質が少ない流水で栽培され、その水温は9~16℃で季節変動が少ないところが適しています。一方、畑で育てられる畑ワサビ「陸(オカ)ワサビ」は、根茎が肥大しないことから葉・茎が加工用にされます。いずれも直射日光を嫌い、冷涼な気候を好みます。
3~5月頃に、30cmほどの花茎を伸ばし、その先端部に白色の花を咲かせます。
根茎を調整したものが薬味の山葵(わさび)として用いられます。
同じアブラナ科のセイヨウワサビ(Armoracia rusticana P.Gaertn., B.Mey. et Scherb.)は、ホース・ラディシュと呼ばれ、ローストビーフの薬味として有名です。また、市販の練りワサビの原料にもなっています。