植物のご紹介

シラン

シラン

Bletilla striata (Thunb.) Rchb.f. ラン科(Orchidaceae)
わが国の関東以西、中国、台湾に分布する多年草で、 5~6月頃に茎頂に紅紫色の花を数個つけます。野生のものは環境省のレッドリストで準絶滅危惧のカテゴリーに分類されています。ラン科植物の中では最も栽培容易なものの一つです。和名は花の色に由来し、紫色の蘭(らん)ということから、紫蘭(しらん)と呼ばれています。地下に形成される球茎は直径4cm程度の白色多肉で、やや扁平な球形をしています。その 球茎を蒸乾あるいは熱湯に浸して乾燥したものが生薬の「白及(ビャクキュウ)」で、粘液質のブレティラグルコマンナンなどを含み、収斂性止血、排膿作用を期待して創傷、火傷などに外用します。

古い球茎がいくつもつながっています。

白色の花を咲かせるシロバナシラン(Bletilla striata (Thunb.) Rchb.f. f. gebina (Lindl.) Ohwi)という近縁種もあります。