植物のご紹介

トウガン

トウガン

Benincasa hispida (Thunb.) Cogn. ウリ科(Cucurbitaceae)
(局方)Benincasa cerifera Savi
生薬名:トウガシ(冬瓜子)  薬用部位:種子
トウガン属はトウガン一種からなる単型属で、熱帯アジアに分布するつる性の一年草です。晩夏から初秋が旬の野菜ですが、農家では納屋などで貯蔵することで冬の保存食としていることから「冬瓜」の和名がつきました。日本への渡来は「本草和名」(918年)に登場した10世紀頃とされ、以来、夏野菜として親しまれています。生薬「トウガシ」は本種の種子で、トリゴネリン(アルカロイド)などの成分を含み、抗浮腫などの作用があります。一般用漢方製剤294処方のうち、大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)の1処方に配合されています。種子のほか、茎、葉、果皮も民間薬として用いられ、捨てる部分がほとんどありません。

カボチャに似た黄色い花を咲かせます(写真は雌花です)。

果皮に白い粉を吹く品種と吹かない品種とがあります(写真は粉のない品種です)。

生薬「トウガシ」には種子の表面がビロード状になったものと、滑らかなものとがありますが、薬効に差異はないといわれています。