>園内のご紹介 > 温室エリアのご紹介 > 果樹としての熱帯植物 > カシューナットノキ
Anacardium occidentale L. ウルシ科(Anacardiaceae)
ブラジルの乾燥地帯に分布する常緑高木で、現在では熱帯各地で栽培されています。 学名のAnacardiumは、ラテン語のana(上向き)と、cardium(心臓)の意味で、果実の着果形態が「上向きの心臓」型に見えることから命名されました。種子の殻にはアナカルジン酸を含み、果皮には多糖類が含まれることから止渇、去痰作用が見られ、生薬名を鶏腰果(けいようか)と称します。樹皮にはタンニンが含まれ、フランスの薬局方では、カシュー皮と称し、糖尿病、多尿症などに用いられていたようです。果実は強壮の目的で、根は下剤に、花の煎剤は強精に、若葉の汁は腸カタルに、葉の乾燥したものは喉の腫れなど、様々な症状に用いられます。また、材は、焼いて灰にしたものはカリウムを多く含むので歯磨きなどに用いられたり、黄色染料として使われているようであります。本種は、利用範囲が広いがウルシ科に属するため、かぶれに注意が必要です。
花は直径8mm程で、淡赤褐色を呈し、両性花と単性花が混在します。
果肉部分は英語で「カシューアップル」と呼ばれリンゴに似た芳香があり、食用とされます。
仁(種子の中身)の部分を塩で味付けして「カシューナッツ」と称して市販されています。