Carthamus tinctorius L. キク科(Asteraceae)
(局方)キク科(Compositae)
生薬名:コウカ(紅花) 薬用部位:管状花
エジプトに分布する一年草です。草丈1m前後になり、6月下旬~7月上旬に開花します。日本への渡来は古く、延喜式(927年)にその名が登場します。江戸時代になると山形県の最上地方での栽培が盛んになり、品質の高い紅花として非常に珍重されました。このため、本種は山形県の県花に指定されています。生薬「コウカ」は本種の管状花をそのまま又は黄色色素の大部分を除いたもので、ときに圧搾して板状としたもので、カーサミンなどの成分を含み、通経、駆瘀血などの作用があります。一般用漢方製剤294処方のうち、葛根紅花湯(かっこんこうかとう)、通導散(つうどうさん)など11処方に配合されています。生薬のほか、天然色素原料として食品や化粧品にも用いられています。
紅色が鮮やかで、黄色色素が少なく、香りのよいものが良品とされます。
管状花を発酵させていくと化粧品などの原料になる紅餅となっていきます。
種子を絞るとリノール酸が豊富な紅花油が得られます。