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Armeniaca vulgaris Lam. var. ansu (Maxim.) T.T.Yü et L.T.Lu バラ科(Rosaceae)
(局方)Prunus armeniaca Linné var.ansu Maxim.
生薬名:キョウニン(杏仁) 薬用部位:種子
中国北部に分布する落葉小高木で、世界各地で果樹として栽培されます。医者の美称に「杏林」という言葉がありますが、これは呉の名医・薫奉が治療代の代わりにアンズの木を植えさせていたところ、立派な林になり沢山の実が得られるようになったという「神仙伝」の説話に由来したものです。一般に種子と思われている部分は核という部位で、例えばウメでは核と果肉がきれいに離れない性質(粘核性)を示すのに対し、アンズでは離れる性質(離核性)を持っています。核の中にある種子には、青酸配糖体のアミグダリンを含み去痰、鎮咳作用があります。一般用漢方製剤294処方のうち、麻黄湯(まおうとう)、麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)など18処方に配合されています。果実は生食のほか、乾果、シロップ漬けなどに利用されます。
4月上旬頃に葉が出る前にウメに似た可憐な花を咲かせます。
果実は6~7月頃に橙黄色に熟します。果実は核果(かくか)と呼ばれ、中心には硬い核があります。
乾燥した核を割ると種子(杏仁)が出てきます。昔はこれを杏仁豆腐の香り付けに用いていました。