植物のご紹介

アマチャ

アマチャ

Hydrangea serrata (Thunb.) Ser. var. thunbergii (Siebold) H.Ohba アジサイ科(Hydrangeaceae)
(局方)Hydrangea macrophylla Seringe var. thunbergii Makino ユキノシタ科(Saxifragaceae)
生薬名:アマチャ(甘茶)  薬用部位:葉・枝先
日本の本州の山林に自生する落葉低木で、排水の良いやや湿った日陰を好みます。繁殖は株分けまたは挿し木で行います。生薬「アマチャ」は本種の葉及び枝先を、通例、揉捻したもので、フィロズルシン(イソクマリン関連化合物)などの成分を含み、抗酸化、抗菌などの作用があります。一般用漢方製剤には配合されていません。主に丸剤などの甘味、矯味用として家庭薬原料、口腔清涼剤の製造原料として利用されます。4月8日に釈迦の降誕を祝して行われる灌仏会(かんぶつえ)では、お参りする時に釈迦像の頭上から甘茶湯を注ぐ、いわゆる「花祭り」に使用されます。

7月頃に開花し、その花序の周囲にはがく片が発達した装飾花をつけます。

変種のオオアマチャ(var.oamacha)は、アマチャに比べて全体的に大形であることからこの名前が付きました。本種の葉(左側)は広楕円形で、同様に甘茶として用いられます。

近縁種のアマギアマチャ(H. serrata (Thunb.) Ser. var. angustata (Franch. et Sav.) H.Ohba)は、伊豆天城山に自生します。