植物のご紹介

オオバコ

オオバコ

Plantago asiatica L. オオバコ科(Plantaginaceae)
生薬名:シャゼンシ(車前子)・シャゼンソウ(車前草)  薬用部位:種子・全草
アジア全域に分布する多年草です。草丈10~15cm前後になり、5月~10月の長期にわたり花を咲かせます。道端の雑草の代表格で、人馬に踏まれても負けずに生育する強靭な性質を有していることから轍草(わだちぐさ)の別名があります。生薬「シャゼンシ」は本種の種子で、アウクビン(イリドイド配糖体)などの成分を含み、去痰、鎮咳、血糖降下などの作用があります。一般用漢方製剤294処方のうち、牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)、竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)など5処方に配合されています。生薬「シャゼンソウ」は本種の花期の全草で、プランタギニン(フラボノイド)などの成分を含み、去痰、鎮咳、利尿などの作用があります。一般用漢方製剤には配合されていません。

生薬「シャゼンシ」は黒褐色で充実した種子が良品とされています。

生薬「シャゼンソウ」は利尿、去痰作用の民間薬として用いられます。

同属のヘラオオバコ(P. lanceolata L.)はヨーロッパからの帰化植物です。ヨーロッパでは止血、利尿を目的とした民間薬として本種の葉が用いられています。