植物のご紹介

トコン

トコン

Cephaelis ipecacuanha (Brotero) A.Rich. アカネ科(Rubiaceae)
(局方)Cephaelis ipecacuanha A.Rich.
生薬名:トコン(吐根) 薬用部位:根および根茎
ブラジルの熱帯多雨林に分布し、高さ10~16cm程の常緑小低木となり地中を這って数珠上の太い側根を張ります。本種又は、 C. acuminata Kaistenの根および根茎を天日乾燥したものが生薬「トコン(吐根)」で、アルカロイドであるエメチン及びセファエリンを含みます。タバコや医薬品の誤飲に対して、飲んだものを吐かせるように嘔吐を誘導するためのトコンシロップの原料となります。ただし作用性が強く劇薬に指定されています。吐根の水製エキスにはインフルエンザウイルスなどに対する抗ウイルス作用があるほか、エメチンには抗アメーバ赤痢菌作用などがそれぞれ報告されており、古くから南米アマゾン川流域の現地民が治療に用いていました。

花は白色で小さく、先端が五つに分かれた筒状花で、大形の総苞の上に密集して咲きます。

生薬「トコン(吐根)」は、長さが揃っており、突起物やひげ根がなく、外皮が薄黄色を呈し、内面が白味をおびています。

本種はアラビアコーヒーノキ( Coffea arabica L.)と同じアカネ科に属します。