植物のご紹介

アカキナノキ

アカキナノキ

Cinchona pubescens Vahl アカネ科(Rubiaceae)
生薬名:キナ皮 薬用部位:樹皮
南アメリカ、特にペルーの熱帯山岳地帯に分布している常緑高木で花は淡緑色の鐘状のものを着けます。本種又は、ボリビアキナノキ(C. ledgeriana Vahl)の樹皮を天日乾燥したものが生薬「キナ皮」で、主成分キニーネはマラリア原虫を死滅させることから、マラリアの特効薬として有名で、かつてマラリア治療薬として日本薬局方に収載されていました。1930年代にはジャワ島の高地で栽培が成功して世界の「キナ皮」の90%が生産されていましたが、近年では合成品が作られるようになり、生薬の需要は激減しました。また、解熱、健胃、強壮剤としての効果もあり、ペルーの先住民族は現在でも熱や消化器系の病状や、感染症に用いています。

アカキナノキは葉柄が赤色を呈します。

ボリビアキナノキは葉柄が緑色を呈します。

生薬「キナ皮」は6年生以降の樹皮から採取されます。