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Oryza sativa L. イネ科(Poaceae)
(局方)Oryza sativa Linné イネ科(Gramineae)
生薬名:コウベイ(粳米) 薬用部位:えい果
日本では一年草として栽培されていますが、本来はインドおよび東南アジア原産の多年草です。日本には縄文時代晩期に渡来したといわれています。草丈は50~100cmで6~7月の開花時には直立していますが、9月以降にえい果と呼ばれる果実が充実してくると垂れた稲穂となります。生薬「コウベイ」は本種のえい果で、でんぷん、デキストリンなどの成分を含み、健胃、滋養強壮などの作用があります。一般用漢方製剤294処方のうち、麦門冬湯(ばくもんどうとう)、白虎加桂枝湯(びゃっこかけいしとう)など8処方に配合されています。米には「うるち米」と「もち米」があり、生薬で使用されるのは、「うるち米」の玄米です。
生薬「コウベイ」は一粒4~6mmの楕円形で、淡黄白色~淡褐色を帯びています。
イネの花に花弁はなく、受粉すると果皮が閉じ、中に米(種子)ができます。
栽培されているイネには、一般的に長粒種のインディカ(上)と短粒種のジャポニカ(下)との2つの型があります。