植物のご紹介

エンゴサク

エンゴサク

Corydalis yanhusuo (Y.H.Chou et C.C.Hsu) W.T.Wang ex Z.Y.Su et C.Y.Wu ケシ科(Papaveraceae)
(局方)Corydalis turtschaninovii Besser forma yanhusuo Y.H.Chou et C.C.Hsu
生薬名:エンゴサク(延胡索)  薬用部位:塊茎
中国東部に分布する多年草です。草丈10~20cmになり、3~4月に花を咲かせます。初夏には休眠に入り茎葉が枯れ、土中に球根状の塊茎を形成します。生薬「エンゴサク」は本種の塊茎を、通例、湯通ししたもので、プロトピン(アルカロイド)などの成分を含み、鎮痙、鎮痛などの作用があります。一般用漢方製剤294処方のうち、安中散(あんちゅうさん)、牛膝散(ごしつさん)など8処方に配合されています。

10~11月に塊茎から生じた芽は冬のあいだ土中で伸長し続け、翌春に地上に芽を出します。

本種の花は、距(きょ)と呼ばれる管状の部分と唇形の花弁からなります。

生薬「エンゴサク」は休眠期の初夏に掘り上げます。乾燥すると黄褐色を呈します。


北海道では同属で青い花を咲かせるエゾエンゴサク(C. fumariifolia Maxim. subsp. azurea Lidén et Zetterlund)が見られます。