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Litchi chinensis Sonn. ムクロジ科(Sapindaceae)
中国南部の福建省から広東省に分布する常緑高木で樹高20mにもなります。東南アジアや台湾などで広く栽培され、日本には江戸時代初期に導入された。流通名は「ライチ」と称し、現在、宮崎や沖縄などで栽培されています。生薬名は「レイシ(茘枝)」と称し、古くから中国ではリュウガン(Dimocarpus longan Lour. )とともに滋養強壮剤として使用されており、栄養豊富な南方特産の珍果として親しまれています。また、アルコールの分解作用を持つナイアシンが含まれているので、飲酒後の口直しやデザートとして最適です。中国では体を冷やす食品とされているので、暑い夏には有効な果物といえます。唐の時代、皇帝が楊貴妃のために長安から嶺南(福建省)まで取りに行かせたという話しは有名です。
花は淡緑色で花弁はなく、2~4月に開花します。なお、花芽分化には10~15℃の低温が必要です。
果実は径2-3cmの球形もしくはタマゴ形で表面は亀の甲羅のように細かく割れて隆起しており、熟すと紅色になります。
鮮度が落ちやすい果実なので冷凍や缶詰などの加工食品が出回っています。