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Atractylodes japonica Koidz. ex Kitam キク科(Asteraceae)
(局方)キク科(Compositae)
生薬名:ビャクジュツ(白朮) 薬用部位:根茎
日本および朝鮮半島に分布する多年草です。草丈30~60cmになり、9~10月に花を咲かせます。花色は、開花初期では淡紅色で、序々に白色へと変化します。生薬「ビャクジュツ」は本種の根茎で、アトラクチロン(セスキテルペノイド)などの成分を含み、健胃、整腸、利尿、止汗などの作用があります。一般用漢方製剤294処方のうち、二朮湯(にじゅつとう)、帰脾湯(きひとう)など65処方に配合されています。そのうち45処方はビャクジュツだけでなく、同様の効果を期待して使われるソウジュツ(蒼朮)を用いてもよいとされています。京都にある八坂神社では、大晦日から元旦にかけて白朮が焚かれる「をけら詣り」が行われます。参拝者は無病息災、厄除けをお参りし、その火を持ち帰ります。
市販されている生薬「ビャクジュツ」。
本種と同様、生薬「ビャクジュツ」の基原植物であるオオバナオケラ(Atractylodes macrocephala Koidz.)は、オケラと比べ頭花が大きく、花色は淡紅色です。
ホソバオケラ(Atractylodes lancea (Thunb.) DC.)は生薬「ソウジュツ」の基原植物であり、オケラより葉が細いのが特徴です。