Boswellia sacra Flueck. カンラン科(Burseraceae)
生薬名:ニュウコウ(乳香) 薬用部位:樹脂
アラビア半島からトルコにかけて分布する常緑小高木で、枝を真横に伸長させるのが特徴で乾燥地帯に多く見られます。本種の樹皮に傷をつけ、数日後、固まった芳香性ゴム樹脂を生薬「乳香(ニュウコウ)」と称し、βーボスウェル酸などを含みます。強い抗菌作用や筋肉の痙攣を緩和する働きを有して、一般漢方製剤294処方のうち「丁香柿蒂湯(ちょうこうしていとう)」のみに配合され、止逆作用を有する。本種は没薬(Commiphora myrrha )とともに、 エジプトでは防腐効果を期待してミイラ作りに用いられました。また、最古の香料としても知られ、ハーブ名は「フランキンセンス」と称して、芳香成分ピネンを含み木製の甘い香りの中に、レモンの様な染み透る芳香を放ち寺院などで薫香料としても使用されます。
花は小さく総状花序で淡黄色を呈します。
幹の下から上へ切り傷をつけ浸出してくる白い樹液が固まってから採取します。
樹上についているものが良品とされて、地上に落ちたものは土砂が混入するので品質が劣るとされます。