植物のご紹介

ヤマザクラ

ヤマザクラ

Cerasus jamasakura (Siebold ex Koidz.) H.Ohba バラ科(Rosaceae)               
(局方)Prunus jamasakura Sieb. ex Koidz.                  
生薬名:オウヒ(桜皮) 薬用部位:樹皮
宮城県以南の山地に分布する落葉高木で、葉と花が同時に展開します。奈良県 の「吉野の千本桜」としても有名です。本種またはカスミザクラ(C. verecunda H.Ohba)の樹皮を乾燥したもので、サクラニン(フラバノン)などを含み、鎮咳、去痰などの作用を有します。一般用漢方製剤294処方のうち、十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)、治打撲一方(ぢだぼくいっぽう)の2処方に配合されています。桜皮は日本で古くから民間療法で解熱・咳止めなどに使われてきましたが、中国では使用されません。

カスミザクラは、葉と同時に赤味を帯びた白色の花を咲かせます。

生薬の『桜皮』はヤマザクラまたはカスミザクラの樹皮を乾燥して使用します。

気象庁が開花予想に用いるサクラはソメイヨシノ(C. yedoensis A.V.Vassil.)と呼ばれるサクラで、花が咲いた後に葉が展開します。