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Melia azedarach L. センダン科(Meliaceae)
生薬名:クレンピ(苦棟皮)・クレンシ(苦棟子) 薬用部位:樹皮・果実
日本の関東以西に分布する落葉高木で、樹高は20mほどになり、比較的早く生長します。花は5~6月頃に咲き、葉は枝先に多くつき羽状複葉で葉の縁に鈍い鋸歯があります。果実は10~12月に淡黄色に熟し、落葉後の木には楕円形の果実が多数ぶら下がります。果実の中には核果が1個あります。生薬の苦棟皮はアスカロールなどを含み、駆虫作用があるため回虫、条虫などの駆除薬に使用されました。苦棟子にはメルデニンなどを含み鎮痛薬に用いられます。センダンの古名は「あふち」で清少納言の「枕草子」では「木のさまにくげなれど楝(あふち)の花いとをかし。」と詠まれ、花の美しさなどを表現しています。他にも「万葉集」「徒然草」などでも「楝」の名が見られます。また「栴檀(せんだん)は双葉より芳し」の栴檀はインドに分布する香木のビャクダン( Santalum album L.)を指し、センダンの葉には芳香がありません。また材の利用として、加工性が比較的よく建材、家具、琵琶の胴などに用いられます。
5~6月頃に枝の葉腋に円錐花序を作り、香気のある淡紫色の5弁花を多数つけます。
左側が果実で中には核が一つ入っています。右側が果実から取り出した核で表面には5本の稜(りょう)が付いています。核の中には4~5個ほどの種子があります。核は根付などのアクセサリーにも使われます。
左側が生薬「苦棟子」で果実が黄熟したところを採取して乾燥します。右側が生薬「苦棟皮」で7~8月に樹皮を剥ぎ取り乾燥します。