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Styphonolobium japonicum (L.) Schott マメ科(Fabaceae)
生薬名:カイカ(槐花:日本薬局方外生薬規格2012) 、カイカク(槐角) 薬用部位:蕾、果実
中国北部に分布する高さ20mに達する落葉高木で、奈良時代に薬用を目的に渡来しました。現在では公害に比較的強いために街路樹などでもよく見かけられます。葉はマメ科植物によく見られる羽状複葉で、裏面は白色を帯びて,短い毛があります。7月頃に小枝の先端に総状花序をだして、淡黄色の蝶形花を多数つけます。蕾(槐花)ならびに果実(槐角)にはルチンを含み、ともに止血薬として用いられます。また「槐花」はルチンを20%程度を含み、ルチンの抽出原料としても使用されます。中国では古くから高貴な木とされ、周の時代では朝廷の庭に3本のエンジュを植え、大臣の座る位置を示したと言われます。転じて、エンジュの漢名「槐」が大臣の地位を「槐位」と指すようになりました。他の利用方法として、花や蕾は黄色の染色材料になります。
枝の先端部に長さが8cm程度の果実が下垂します。果実は途中くびれており、熟しても開裂しません。
果実の中には、艶のある扁平な種子があります。
6~7月にエンジュの蕾を採取して乾燥したものが生薬の「槐花」です。