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Typha latifolia L. ガマ科(Typhaceae)
生薬名:ホオウ(蒲黄) 薬用部位:花粉
中国、朝鮮半島、日本に分布する多年草で、湖沼の湿地帯などに自生しています。草丈1~2mになり、7月頃に開花します。穂状花序の上部には雄花序、下部には雌花序が形成されます。生薬「ホオウ」は本種の花粉で、イソラムネチン配糖体(フラボノイド)などの成分を含み、止血、通経、利尿などの作用があります。日本最古の歴史書である古事記に記される「因幡の白うさぎ」に本種の穂が薬草として登場します。
花粉は、開花時に雄花序を切り取って乾燥してから採取します。
同属のコガマ(T. orientalis C.Presl)はガマより小型で、花粉には同様の作用があります。
同属のヒメガマ(T. domingensis Pers.)では、雄花序と雌花序が離れて形成されます。