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Abelmoschus manihot (L.) Medik. アオイ科(Malvaceae)
中国原産で、日本には室町時代に渡来し、現在では我が国各地で栽培されている一年草です。草丈1~2mになり、7~9月に直径10~15cmのオクラ(A. esculentus Moench)に似た花を咲かせます。花は食用になり、「ハナオクラ」の別名があります。根は「黄蜀葵根(おうしょっきこん)」といい、アラバン(粘質多糖類)などの粘液質を含み、粘滑、鎮咳作用などがあるといわれています。また、根の粘液質は和紙をつくる際の「ねり」として極めて重要で、繊維を水中で均一に分散させるために利用されます。
果実は長径4~6cmで、5稜があり、剛毛に覆われています。オクラの果実に似るが、食用には向きません。
生薬「黄蜀葵根」は、10~11月に根を掘り取り、水洗い後、外皮を除いて日干しにします。
収穫した根を叩き潰すことで、粘液質を得ることができるが、粘液質に接着力はありません。