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Piper nigrum L. コショウ科(Piperaceae)
インドのアッサムからミャンマーの丘陵地帯に分布して広く熱帯地方で栽培される常緑つる性の半低木です。茎の長さは5m内外になります。楕円形の葉を持ち、雌雄異株。穂状につく果実は成熟して紅色になります。日本では正倉院薬物(756年)に見られ、健胃、駆風(腸管内に溜まったガスを排出する)薬として用いられました。辛味成分であるピペリン(アルカロイド)は果実の中果皮に多く含まれるます。ヨーロッパでは紀元前400年頃から香辛料や薬の材料として極めて重要な貿易品であり、また近世には本種をはじめとする香辛料の獲得をめぐって熾烈な争いの生じたことが史実に残されています。
挿木3年目から花房をつけ、極めて小さな花を咲かせます。
未熟な果実を乾燥させたものが、ブラックペッパー(黒胡椒)です。
完熟してから外皮を剥いたものがホワイトペッパー(白胡椒)です。