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Cornus officinalis Siebold et Zucc. ミズキ科(Cornaceae)
生薬名:サンシュユ(山茱萸) 薬用部位:偽果の果肉
中国に分布する落葉小高木で高さ3~4mになります。江戸時代に朝鮮半島を経てわが国に渡来し、和名は漢名「山茱萸」の音読みです。生薬「山茱萸」は、偽果の果肉を乾燥したものをいいます。なお、植物学的にはサンシュユの果実は偽果で花床の成熟したものになり、種子と思われる部分が果実になります。成分としてロガニンなどを含み、滋養、強壮作用を有します。一般用漢方製剤294処方では八味地黄丸などの6処方に配合されています。
早春に黄色の小花が散形花序について咲くことから「ハルコガネバナ」と呼ばれ、生け花に用いられます。
晩秋には果実が紅く熟するので「アキサンゴ」とも呼ばれています。
宮崎県の民謡「稗つき節」に出てくる「庭のサンシュの木・・・」は、ミカン科のサンショウ(Zanthoxylum piperitum DC.)を指したものです。