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Nelumbo nucifera Gaertn. ハス科(Nelumbonaceae)
生薬名:レンニク(蓮肉) 薬用部位:通例、内果皮の付いた種子
アジア、ヨーロッパ、オーストラリアに分布する多年草です。高さ100cm以上になり、7月頃に開花します。古い時代にインドから中国を経てわが国に渡来したとされていましたが、中生代白亜紀の化石に含まれていたことから、自生株も存在していたと考えられます。現在は、蓮根を採るために日本各地の水田で栽培されています。生薬「レンニク」は本種の通例、内果皮の付いた種子でときに胚を除いたもので、ロツシン(アルカロイド)などの成分を含み、鎮静、滋養強壮などの作用があります。一般用漢方製剤294処方のうち、啓脾湯(けいひとう)、参苓白朮散(じんりょうびゃくじゅつさん)など3処方に配合されています。
花は、7月中旬頃より開花し、朝日を受けて開き、午後には閉じることを繰り返し、4日目に散ります。
果托は蜂の巣状であることから、「ハチス」が「ハス」に転化したと言われています。
種子は堅い殻を持つため、寿命が長く、千年以上も発芽力を保持します。