植物のご紹介

クズ

クズ

Pueraria lobata Ohwi マメ科(Fabaceae)
(局方)マメ科(Leguminosae)
生薬名:カッコン(葛根)  薬用部位:根
日本の北海道~九州までの日本各地のほか、中国からフィリピン、インドネシア、ニューギニアに分布する多年草で、荒れ地や人手の入った後に放置された薮によく繁茂します。昔から秋の七草の一つとしてもよく知られています。和名は、かつて大和国(現:奈良県)の国栖(くず)が葛粉の産地であったことに由来しています。生薬「カッコン」は本種の周皮を除いた根で、ダイゼイン、プエラリンなどの成分を含み、鎮痙、解熱などの作用があります。一般用漢方製剤294処方のうち、葛根湯(かっこんとう)など14処方に配合されています。また根にはデンプンが10~15%含まれ、「葛澱粉」として和菓子などに用いられます。その他、本種の茎から得られる繊維で織った「葛布」は水に強く、袴や雨具などに用いられていました。

8~9月に赤紫色の花を咲かせ、甘い芳香を放ちます。果実は枝豆に似ていて、やや小型です。

根は長芋状に肥大し、大きいものでは直径が20cmに達します。

「葛澱粉」は、現在も昔のままの製法で作られている奈良県の吉野葛や福井県の熊川葛が有名です。