「誰かに相談したいけれど、どこに行けばよいかわからない」と悩む家族は多いと思います。ひとりで抱え込むよりも、まずは身近な専門家に話を聞いてもらい、どうすればよいかを一緒に考えてもらうことが、お子さんの普段の生活をサポートするための第一歩につながります。
学校や相談機関に相談してみよう
もしお子さんが学校での過ごし方で困っているなら、学校に相談されてはいかがでしょう。お子さんの担任の先生を介して、特別支援教育コーディネーターなどに相談することもよいかもしれません。また、「うちの子、なんだか気になる」と育て方に悩んでいるなら、下記の機関に相談してみましょう。
具体的な相談機関について
相談できる機関は下記のように色々あります。悩んだらまず連絡してみてください。
発達障害者支援センター
発達障害の早期の発見と、発達障害を持つ本人やその家族への支援を目的とし、相談や情報提供を行う施設で、各都道府県に1ヵ所以上設置されています。発達障害者に対し、専門的な発達支援や就労支援を行っています。発達障害の診断や年齢は問われないため、悩んだら相談してみましょう。
児童(子ども)発達支援センター
児童発達支援事業所
児童(子ども)発達支援センターは、障害のある子どもに支援を行う地域の中核的な施設です。集団療育や個別療育が必要な子どもが通所し、日常の基本動作や自活に必要な知識・技能の指導、集団生活へ適応するための訓練を受けられます。また対象の子どもの家族や所属施設への相談に応じ、助言します。
児童発達支援事業所は各地域に設置され、児童(子ども)発達支援センターよりも身近な療育の場です。
児童(子ども)家庭支援センター
児童相談所など関連機関と連携しつつ子どもへ相談支援を行う、地域に密着した福祉施設です。家庭からの専門的な相談や、児童相談所から依頼された児童や家庭への指導、市区町村の求めに応じて技術的な助言や援助を行います。心理療法などを担当する職員も配置されています。
上記の相談機関のほかにもこのような機関があります。
家庭児童相談室
子どもの福祉に関する相談や指導の充実を図るため、市区町村の福祉事務所に設置されています。不登校や非行、発達の遅れなど、子どもの問題に対する相談に応じ、支援を行っています。また、虐待に対する相談・通告をする役割を持ち、虐待の防止や早期発見に積極的に取り組みつつ、きめ細かな相談対応を行っています。
教育センター
各自治体の教育委員会などに設置されており、子ども自身や保護者、教師からの、いじめや不登校、進路や学業など学校教育全般に関する相談を受け付けています。
医療機関に相談してみよう
「子どもの発達」については、医療機関によって、小児神経科、児童精神科など、診てもらえる診療科が異なっています。たずねる予定の医療機関にあらかじめ問い合わせておくとよいでしょう。医療機関を受診することで、子どもが困っている理由や原因をはっきりさせることにつながることもあります。
相談に行く前に用意したいもの
ADHDの診察の参考になりますので、お子さんの発育歴や生活・学校の様子、得意なことや不得意なことなどを整理しておくとよいでしょう。
● 母子健康手帳
● 育児日記
● 学校の通知表
● 本人による絵や作文 など
監修(五十音順)
- 社会福祉法人 恩賜財団母子愛育会 愛育相談所 所長 齊藤 万比古 先生
- こころとそだちのクリニック むすびめ 院長 田中 康雄 先生
- 信貴山病院 ハートランドしぎさん 副院長 根來 秀樹 先生*
- 東海大学 医学部専門診療学系精神科学 教授 松本 英夫 先生
- 東京家政大学 子ども学部子ども支援学科 教授 宮島 祐 先生
- *監修いただいた際のご所属先とは異なります