ADHD(注意欠如・多動症)とは、「脳機能の発達の遅れ・かたより」である発達障害の一つで、ADHDの子どもには、親の育て方や本人の努力とは無関係に、しばしば年齢に不釣り合いな行動(不注意あるいは多動・衝動)がみられます。
ここにはADHDの子どもにみられる代表的な「多動性・衝動性」についての行動や事象の一部を記載しています。しかし、ADHDに現れる行動や事象はさまざまで、ADHDでもこれらの全てがみられるわけではありません。また、これらの行動や事象がみられる子どもが全てADHDであるというわけでもありません。
「多動性・衝動性」について
日常の活動に悪影響があるほどに、動きまわってしまう、じっとしていることが苦手、順番を待つことが苦手などの行動や事象が持続的に現れることがあります。
落ち着きがなく、動きまわってしまう
そわそわして、じっとしていられない。
椅子に座っていても体を揺らしたり、手足をバタバタ動かす。座っていないといけないときに、座っていられない。授業中に歩きまわる。
じっとしていることが苦手
お店、レストラン、電車の中など公共の場でじっとしていない。何かに突き動かされるように行動する。
おしゃべりが止められない
静かにしていなければならない場面でしゃべり続ける。
始業式や終業式、法事など、静かにしていなければならないのにしゃべり続け、注意されるとはっと気づいて静かになるが、すぐに忘れてまたしゃべりはじめてしまう。
順番を待つことが苦手
列に並んで順番を待てず、会話中も自分の番を待てずに発言してしまう。
興味のあることに遭遇すると、つい列のいちばん前に行ってしまう。
思いついたまま行動する
考えてから行動することができない。
思いついたことをすぐに口に出したり、許可を得ずに他人の物を使う。カッとなって大声を出したり、すぐに手が出たりする。
- 監修:一般社団法人 日本発達障害ネットワーク 理事長 市川 宏伸 先生