※規定どおりにワクチンを接種していてもその病気にかかってしまうこともあります。
(※)ワクチンの間違いを防止するために、各ワクチンごとに予診票、ワクチンバイアルのキャップ、ラベルなどの色が統一されています。
その各ワクチンの色を示しています。
麻疹[はしか]
Measles
感染経路
空気感染・飛沫感染・接触感染
対応ワクチン
感染力が強く、免疫がなければ、子どもも大人もかかる病気
1歳になったら、早めに接種! 1歳のお誕生日に麻しん風しん混合(MR)ワクチンを プレゼントしましょう。
咳、くしゃみや会話により、ウイルスが飛び散り、それを吸い込むことで感染します。初めは38℃前後の発熱、かぜ症状、喉が赤くなって痛みます。3~4日後に一旦熱は37℃台に下がり、その前後でほほの内側に小さな白い斑点(コプリック斑)がみられ、再び熱が上がるという独特の発熱パターンが特徴です。再発熱とともに顔から体へと赤い発疹ができ、4~5日間は熱が高く、目が充血し咳も激しくなります。症状が出て10日から2週間で治癒しますが、免疫機能の低下した状態が1ヵ月程度続きます。主な合併症として、気管支炎、肺炎、中耳炎、脳炎があり、数千人に1人の割合で死亡します。
風疹
Rubella
感染経路
飛沫感染
対応ワクチン
発疹、耳の後ろ・首のリンパ節が腫れるのが特徴
咳や会話などにより、ウイルスが飛び散り、それを吸い込むことで感染します。38℃前後の軽い発熱(約半数の人しか出ない)とともに、耳の後ろや首の周りに小指の先ほどのグリグリができ、押すと痛みがあります。中には40℃台の高熱になる人もいます。小さく赤い発疹が顔に出てすぐに全身に広がります。喉の痛みや結膜炎、咳、頭痛、軽いかゆみがおこることもあります。合併症として、関節痛、血小板減少性紫斑(しはん)病、脳炎などが報告されています。
水痘[みずぼうそう]
Varicella
感染経路
空気感染・飛沫感染・接触感染
対応ワクチン
かゆみのある赤みを伴った水疱が全身にできる
兄弟姉妹の1人が発症すると90%以上の確率で感染し、保育所や幼稚園などでの集団発生も多いです。初めは小さく赤い発疹が背中やお腹に現れ、半日程度で水疱になり、全身に広がりかゆみと発熱を伴います。3~4日で水疱はかさぶたになり、はがれ落ちるまで5~20日ほどかかります。かきこわして、そこから細菌が入り化膿しないよう気をつけましょう。まれに脳炎や髄膜炎を起こすことがあります。水痘が治っても原因ウイルスである水痘・帯状疱疹ウイルスは神経節に潜伏し帯状疱疹の原因になることもあります。また成人がかかると、重症化しやすいといわれています。
流行性耳下腺炎[おたふくかぜ]
Mumps
感染経路
飛沫感染
対応ワクチン
耳の下からほほやあごが腫れ、難聴になることも
咳や会話などによりおたふくかぜ(ムンプス)ウイルスが飛び散り、それを吸い込むことで感染します。耳の下の耳下腺、あごの下にある顎下腺などが腫れてきて痛みがでます。発熱がみられ、頭痛、倦怠感などもありますが、発症から5~10日くらいで治癒します。ウイルスが感染しても無症状の人が3~4割くらいいます。合併症として、髄膜炎、脳炎、精巣炎、卵巣炎などがあり、特に千人に1人は難聴(片側が多いものの難治性)をおこすことがあるといわれていますので、予防接種を受けることをおすすめします。
2歳に
なってから
髄膜炎菌感染症
Meningococcal Infection
感染経路
飛沫感染
対応ワクチン
流行国(※)への海外旅行には特に注意
(※)流行国は、検疫所や外務省のHPなどで確認してください
髄膜炎菌は、飛沫によって鼻や喉などの気道から血中や髄液に入り、敗血症や細菌性髄膜炎などの重篤な細菌感染症を引き起こしますが、治療が遅れると死亡や神経への後遺症が残ることがあります。髄膜炎菌感染症は5つの血清型(A、B、C、Y、W-135)によっておきていますが、ワクチンは血清型A、C、Y、W-135による侵襲性髄膜炎菌感染症を予防します。世界では毎年約30万人が発症していると推定されており、サハラ以南アフリカの髄膜炎ベルトと呼ばれる地域では髄膜炎菌感染症が流行しており、米国や英国などの先進国でも年間1,000人以上の発生が報告されています。流行地域への渡航に際しては注意が必要です。