治療と生活のこと

生活と治療 ~家族(介護・育児を含む)~

肺がんの薬物療法では、使用するおくすりの種類や患者さんの状態などにより、入院か外来(通院)かが決まります。近年では、通院での治療も増えてきていますが、入院や通院で介護や育児ができない日もあるでしょう。また、体調不良などによって、これまでと同じように家事ができなくなるなど、生活に影響が出てくる可能性もあります。
ご家族の協力を得たり、生活をサポートしてくれる支援制度やサービスなどを活用したりするとよいでしょう。

治療の副作用で家事をするのがつらいです。
どのように家族に助けを求めればよいでしょうか?

まずは、副作用がつらいこと、治療前と同じように家事ができないことをご家族に伝えましょう。患者さんによって状況はさまざまで、見た目の変化が少ない副作用もあり、ご家族があなたのつらい状態に気づきにくい場合もあります。副作用で力仕事が難しい、外見が変化して買い物に出るのがつらい、などご家族に助けてほしいことを伝えると、ご家族もスムーズにサポートできるはずです。
また、食事や家事においては、手作りや完璧を求めるより、ストレスなく乗り切ることも大切です。食事はスーパーなどのお惣菜、テイクアウトのお弁当、宅配サービスなどを利用してもよいでしょう。掃除や洗濯などは、「多少汚れていても問題ない」と割り切り、休みの日にまとめてしたり、家事代行サービスを利用したりする方法もあります。
ご家族にうまく伝えられないときや、理解が得られないときは、一緒に病院に来てもらい、医師や看護師、ソーシャルワーカーなどから、あなたが受けている治療の内容や、それによる副作用について説明してもらうこともできます。がまんや遠慮をせず、助けを求めてください。

親の介護を短時間でもお願いできるサポート制度はありますか?

通院や入院で不在にするとき、または、体調がよくないときなどに介護をサポートしてもらう方法として、介護保険の申請、訪問介護サービスデイサービスショートステイの利用などが挙げられます。
介護サービスを受けるには、自治体への申請、ケアマネジャーとの相談、ケアプランの作成など、事前の申請や準備が必要です。治療することが決まったら、早めに情報収集し、相談や申請をしておきましょう。すぐに治療を開始しなければならない場合は、ご家族にお願いできると安心です。
どこに相談すればよいかわからない場合は、がん相談支援センターでソーシャルワーカーに相談できます。地域のケアマネジャーや地域包括支援センターなど、必要なところを紹介してもらえるはずです。

*:介護支援専門員。介護を必要とする方やそのご家族からの相談に応じ、適切な介護保険サービス等の利用を受けられるように、ケアプラン(介護サービス計画)の立案や関係機関との調整をおこなう専門職。

小さい子どもがいて、治療と育児の両立はとても大変です。
サポートしてもらえる制度やサービスを教えてください。

子育てをしながらの治療は、身体的にも、精神的にも負担が大きいですね。少しでも負担を軽くするための方法を考えましょう。まず、ご家族、友人、近所の方など、頼れる方がいる場合は、積極的に助けを求めましょう。
難しい場合は、保育園や幼稚園の一時保育、自治体の子育て支援制度などを利用する方法もあります。子育てサポートのシステムは自治体によって異なるため、市町村役所の窓口や、がん相談支援センターで相談しましょう。きっと、あなたを助けてくれるアイデアを提供してくれるはずです。

*:保護者の傷病などにより、家庭での保育が困難な場合に、保育施設等に一時的に子どもを預けられる制度があります。制度を利用できる条件や保育時間は園や自治体によって異なります。「一時預かり」とよばれることもあります。

子どもに病気のことを伝えたほうがよいですか?

お子さんにがんであることを伝えるかどうかについては、多くの患者さんが悩まれます。伝えたとしても正しく理解できるか、心配させてしまうのではないかなど、不安も多いでしょう。
お子さんへの精神的な負担もあるかと思いますが、お子さんに伝えた患者さんからは、「すごく心配だったが、泣かれることはなかった」「“それくらいで動じたりしない”という力強い言葉をもらった」という声もあります。また、お子さんがある程度の年齢の場合は、「子どもが、病気や治療のことを自分以上に調べてくれた」という話も耳にします。
お子さんへの告知については、お子さんの年齢や性格、それぞれのご家庭の事情などによっても異なります。伝える場合、どのタイミングで、どこまで伝えるかなども考える必要があります。
病院によっては、お子さんに伝えるときに、医師や看護師が同席して病気について説明するなど、サポートしてもらえることもあります。
お子さんが通園・通学している場合、担任の先生や心の相談窓口などにもご自身の状況を伝えておくことで、保育園・幼稚園や学校での状況を見守っていただけることもあります。お子さんの成長を見守る協力者として相談してみてもよいでしょう。

    ★家事と治療のキーワード★

  • 家族のサポート
  • お惣菜・テイクアウト
  • 宅配サービス
  • 家事代行
  • 介護保険
  • デイサービス
  • ショートステイ
  • 一時保育
  • 子育て支援制度

*:利用には事前の申請や登録にお時間がかかることがあります。早めに確認、手続きをしておくことをおすすめします。

ページの先頭へ